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2 0 1 8年 2 月 2 日
株式会社日本格付研究所(JCR)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
ブラジル連邦共和国
(証券コード:-)【据置】
外貨建長期発行体格付 BBB-
格付の見通し 安定的
自国通貨建長期発行体格付 BBB
格付の見通し 安定的
■格付事由
(1) 2 億人の人口を有し、高い農業ポテンシャルと世界有数の資源賦存を有する中南米最大の国。一次産品価 格の低迷、消費の停滞、中国への輸出の停滞、国営石油公社ペトロブラスを巡る大規模な汚職事件の捜査
にともなう政治の混乱の影響による国内投資の低迷などの要因により、15-16年と 2年連続でマイナス成 長を記録、インフレが高進する一方で財政赤字が拡大した。16 年 8 月にルセフ前大統領の弾劾成立を受 けて就任したテメル大統領は、歳出の伸びを抑制するための憲法改正や労働法改正を実現、さらに長年の
懸案である社会保障改革法案を議会に上程するなど、経済のテコ入れと構造改革を推進している。こうし
た経済政策の効果に加えて、17 年には一次産品価格が上昇に転じ世界貿易も回復して国際経済環境も好
転し、経済成長が底入れする一方でインフレは沈静化に転じた。財政再建も軌道に乗りつつあり、ブラジ
ル経済の見通しは改善している。以上を踏まえて格付を据え置き、格付の見通しを安定的とした。
(2) ブラジル史上類を見ない規模で展開された石油公社ペトロブラスを巡る汚職捜査は終結しつつあり、17 年中に新たに浮上したテメル大統領に対する弾劾決議案も議会で否決され、ルセフ前大統領の弾劾に端を
発した内政の混乱は収束に向かいつつある。テメル政権は、16年 12月には歳出の伸びを抑制するための 憲法改正を実現、17 年 7 月には個別労使交渉を可能にし労使合意を旧弊の規則に優先させることなどを 内容とする労働法改正を実現、さらにエネルギー資源分野で民間投資を促進するため「投資パートナーシ
ップ」を推進するなど、困難な政治的状況のなかで改革に積極的に取り組んできた。こうした政策努力は
経済に対する信認の回復に寄与し、対前年比でマイナスが続いていた鉱工業生産指数は 17 年後半からプ ラスに転じ、消費者信頼感指標も回復が続いている。為替レートは安定化する一方で消費者物価指数は沈
静化が続き 17 年末では 2.95%と中央銀行のインフレ目標レンジ(4.5%を中心に上下 1.5%)を下回る実 績を上げた。金融引き締め政策と中央銀行の広報戦略改善がインフレ抑制とインフレ期待の鎮静化に寄与
した。17年の経済成長は1%程度と推定され、今後も回復が継続する見込みである。
(3) 17 年の財政赤字は基礎的収支でみると16年の GDP比2.5%から1.7%と改善した。一般政府収支も、調 達コストの低下により利払い負担が抑制され GDP比で 7.8%と前年の 9.0%より改善した。テメル政権は 憲法改正も行って歳出の抑制に取り組んでおり、基礎的収支を 2020 年までに同比 0.82%まで改善、金利 低下に伴い一般政府収支も改善させる計画である。17 年の国際収支は、貿易収支黒字が拡大するととも
に経常収支赤字は GDP 比 1%以下へと改善した。外貨準備も高い水準を維持しており、対外ショックに 対する一定の耐性を有する。16 年以前には為替レートの減価に伴う外貨建債務の評価額の膨張、景気悪
化に伴う借り入れの増大などの要因により、政府、企業、家計部門のすべてにおいて債務額が増大したが、
17 年に入りインフレ率が顕著に低下する中で為替レートと金利は安定した。今後については財政改革が 計画通りに進展し為替レートと金利の安定が維持できれば債務の増加には歯止めがかけられると JCR は 見ている。
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促しているが、下院審議待ちとなっている。18年4月には10月の総選挙に向けて選挙の準備期間に入る ため、それまでに同法案が成立しないと選挙後まで持ち越しとなる懸念がある。ブラジル政府が懸案の社
会保障改革を早期に実現できるか、また、選挙を通じて国民の政治不信を払拭し、財政健全化と構造改革
を着実に推進し、政府に対する信認を維持・向上させることができるかが重要である。
(担当)増田 篤・利根川 浩司
■格付対象
発行体:ブラジル連邦共和国(Federative Republic of Brazil)
【据置】
対象 格付 見通し
外貨建長期発行体格付 BBB- 安定的
自国通貨建長期発行体格付 BBB 安定的
格付提供方針に基づくその他開示事項
1. 信用格付を付与した年月日:2018年1月30日
2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:増田 篤
主任格付アナリスト:増田 篤
3. 評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、JCR のホームページ(https://www.jcr.co.jp/)の「格付関連情報」に「信用格付の
種類と記号の定義」(2014年1月6日)として掲載している。
4. 信用格付の付与にかかる方法の概要:
本件信用格付の付与にかかる方法の概要は、JCR のホームページ(https://www.jcr.co.jp/)の「格付関連情報」に、
「ソブリン・準ソブリンの信用格付方法」(2014年11月7日)として掲載している。
5. 格付関係者:
(発行体・債務者等) ブラジル連邦共和国(Federative Republic of Brazil)
6. 本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての JCR の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性
の程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するもので
はない。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外
の事項は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。ま
た、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、JCR が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入
手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・格付関係者が提供した経済・財政運営方針などに関する資料および説明
・経済・財政動向などに関し中立的な機関が公表した統計・報告
8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
JCR は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、
発行体または中立的な機関による対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、当該方針が求める要件を
満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。
9. 非依頼格付について:
本件信用格付は格付関係者からの依頼に基づかない信用格付である。国に対する信用格付である場合を除き、依
頼に基づく格付と区別するため格付記号の後に「p」を表示している。格付関係者からは、信用評価に重要な影響を及
ぼす非公表情報を入手している。
10.JCRに対して直近1年以内に講じられた監督上の措置:なし
■留意事項
本文書に記載された情報は、JCRが、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また
はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCRは、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、
的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCRは、当該情報の誤り、遺漏、また
は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCRは、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、
金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因
のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、JCRの格付は意見の表明であ
って、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするも
のでもありません。JCRの格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として
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を含め、本文書の一部または全部を問わず、JCRに無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■NRSRO 登録状況
JCRは、米国証券取引委員会の定めるNRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating Organization)の5つの信用格付クラスのうち、以下の4クラス
に登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。米国証券取引委員会規則 17g-7(a)
項に基づく開示の対象となる場合、当該開示はJCRのホームページ(https://www.jcr.co.jp/en/)に掲載されるニュースリリースに添付しています。
■本件に関するお問い合わせ先